大東学園高等学校 > 学園の教育 > 三者協議会
これは生徒会執行部がまとめた報告「一体ゼンタイ、三者協議会って何っ!?ナゼ出来た?~三者から話を聞いて学ぼう!」の一部分です。
私が執行委員になったころ、二者協議会で『生徒心得』に関する要求をしても議論はするけれど、その先には思うように進んでいかない。そこで、保護者も一緒に三者での学校づくりを要求した。保護者の視点からの意見も加わり、会議の雰囲気も変わってきた。それまでの辛い気持ちや不安が少しずつ解消していった。
今の重要な課題は、自分たちが中心になってやらなくちゃいけない授業だ。じゃあ、そのルールを作ろう。集団生活のルール!また、共学になって出てくる不安も、同時に三者で改善していこう。これがスタートだった。そして制服などの要求も通してきた。
できて間もない三者協議会だが、自分たちで学校をつくっていけるという事を、すごいことなんだと思って大切にしていってほしい!
五年前から三者協議会に携わってきた役員さんに話を聞いた!
入学して学年学級運営部の委員になった時、生徒が、保護者にお願いがあるとやって来た。『私たちの味方になってほしい。私たちの要求が正しいと思うなら応援してほしいんだ。先生たちは、私たちの要求をなかなか認めてくれない!』ということだった。
それから三者で活動してきて、ある研究会に行った時、別の学校の人から、「生徒会なんてダサイ仕事しているの?」と聞かれ、大東の生徒は、「いいえ。ダサイなんて思っていません。学校をもっと良くしたいから三者で活動していきたいんです!」と立派に答えたことを覚えている。
今の状況を見ると、本当に変わってきたなと思う。五年でよくここまでこれたな・・・と夢のようだ。
二者の協議会や懇談会は以前からあったが、2000年に三者の懇談会が行われ、授業や日常生活について話し合った。さらに、二者懇談会の規約もつくられ、三者協議会に向けての動きも本格化した。そして、三者が他校の見学など実践を学び合えたことも大きい。また、懇談会などの地道な積み重ねが大きな役割を果たした。この運動は民主主義の実践でもあり、積み重ねていく努力が大きな鍵となる。そのためにも、基礎単位であるクラスのリーダー会議がどの程度できるのか、今後が楽しみだ。保護者にも同じ課題がある。東和会とも二者協議会や懇談会をやっていきたい。
(2003年から正式に『三者協議会』が動き出したのです。)教職員側は何年にもわたって、運営委員会や職員会議で議論を続けてきました。そして、生徒集団が見せる力の大きさにあらためて学ばされています。
2004年度から全校あげて全ての必修科目の授業について生徒による授業評価と生徒自身の自己評価アンケートが行われていました。このアンケートは教員主体で行われてきましたが、アンケートに生徒の考えも反映できるようにと、2014年度に生徒と一緒にアンケートを作成することを確認し、授業プロジェクトを立ち上げました。そして、2015年度に共同で作成した授業アンケートを実施しました。
アンケートの中身は、5科目に絞り、先生に向けての問5つと自分自身に向ける問5つで行いました。その結果を三者懇談会で話し合い、そこで出た意見を、「授業づくり」と「ルールを守る自覚」の2つに分けました。更にそれらの意見を生徒、教職員、保護者がそれぞれ誰に向けた意見かを整理し「3×3の表」を作成しました。
アンケート結果や懇談の意見から、禁止されている「授業中の携帯電話使用」の問題が明らかになり、実際に使用している生徒の声を聞きたいということになりました。そこで生徒会はスマホ実態調査アンケートを実施し、三者協議会の中でこの調査結果の報告と実際に使用している生徒の声、使用していない生徒の声などを聴き、懇談しました。
これらの話し合いの中で、「授業づくり」のポイントでも「ルールを守る自覚」のポイントでも生徒から生徒へ出た意見の中に「何のために学校に来ているのか、学校に来て何を学ぶのか」という意見が重なって出てきました。そこでこの共通の意見である「なぜ学ぶのか」を考えていくことが大切なのではないかという話が生徒会執行部から出ました。生徒会執行部は、教員に対して要求するだけでは、授業改善は豊かにならないと考え「なぜ学ぶのか」を生徒一人ひとりが考えることで授業に取り組む姿勢が変わり、授業改善に向かうと考えました。
2016年度からは、「なぜ学ぶのか」をテーマに生徒、保護者、教職員で話し合いを行っています。これまで数学、英語、国語の学ぶ意味について懇談を行いました。また、生徒同士で授業について本音で語る「ダイトーーク!」を4回実施してきました。これらの話し合いを進め、授業アンケートを作成し、全校に広げながら、三者で授業づくりを行っています。
生徒へ | 教員へ | 保護者へ | |
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生徒から | ・集中する時は集中してほしい。 ・自分の可能性や視野を広げるために学んでほしい。 |
・意見や質問をしたら、ちゃんと聞いてほしい。 ・分かって楽しい授業をしてほしい。 ・交流のある授業をしてほしい。 |
・家での学習環境をつくってほしい。 ・学校に来て自分の子どもの様子を見てほしい。 ・生徒をもっと知ってほしい。 |
教員から | ・基礎基本の定着。 ・みんなで学べる授業。 ・「考える力」をつけてほしい。 |
・魅力的な授業をつくっていこう。 ・協同の学びの推進。 ・お互いに授業を見あう。 |
・本を読む姿を子どもに。 ・スマホの使い方の指導。 |
保護者から | ・ちゃんと授業に取り組んでほしい。 ・人間性や社会性を学んでほしい。 |
・ルールは厳しく、でもおもしろい授業を。 ・自主性、主体性の尊重 |
・授業参観に来てほしい。 ・子どもの精神面を気遣い、悩みを聞いてあげて。 |